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2009-07-30

コップの中のスパイク物語

私が最初に履いたスパイクは、忘れもしないアシックスのものだった。
今みたいにブランドが百花繚乱、なんて時代ではなかったから、
選ぶものは限られていた。

その中で少なくともアディダスは止めておこうと思ったのは、ことサッカーに
関しては何かにつけ張り合っていたのか私が勝手に敵視していたのか知らない
が、とにかくそういう奴がその頃に履いていたスパイクだったからだ。

そういえばあいつとの関わりではスパイクだけでなく、購読するサッカー雑誌も
影響があった。あいつがサッカーマガジンを買うものだから、私は他を買っていた。
まあスパイクなんかとは違って、これはお互いが貸し借りをして読みあえたから
良かったのだが。

アディダスとプーマ、その成り立ちが兄弟の対立、発展の過程に壮絶な血縁
どうしの対立があるとは不明にも知らずにいた。
もちろん私が物心ついた頃には超一流ブランドとして確固たる地位を築いて
いた両者が、洗濯室の小さな小屋で産声を上げたなんて知る由もなかった。

あいつとの関係でアディダスを履かなかった私が戒めを破ってそれを手にしたのは、
バーゲンで大幅な値引きがされてあったからだ。新しいスパイクを買った喜びよりも
妙な葛藤に苛まれていた私は、それを履いてボールを蹴った時にさらなる悩みを抱える。
それまでに履いた何足かより、はるかに良く足にフィットしたからだ。
(スパイクは、アディダスが一番合うのかも・・・)
妙な意地さえ持たなければ、私はもっと気持ち良くボールを蹴る時間をながく持てた
のかもしれない。

私の憧れは”革が薄く、素足に近い”と宣伝された天然皮革、中でもカンガルー革の
スパイクを履くことだった。そしてもう一つの憧れが、プーマを履くことだった。
これが一番ボールを蹴っていた頃に実現できずにいたのは、わずかな小遣いでは
賄いきれない、値段の問題に他ならなかった。

カンガルー革、プーマブランド。
ボールを蹴る回数が少し減った頃に、私は思いがけずこの夢を同時に叶える
幸運に恵まれた。
(うちのチームでスパイクが安く手に入ることになったんだ。
おまえの分も、注文しといてやるよ)
そう言って私にこの幸せを与えてくれたのは、他ならぬ”あいつ”だった。


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theme : サッカー
genre : スポーツ

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